H&M障害と失敗

H&Mには障害と過去の失敗があります。
障害として挙げられるのは、日本のような物価の高い国への進出です。日本では、一定した売り上げは見込めます。しかし日本の物価が高いため、店舗賃貸料や、人件費などの経費も高くつきます。このようなことがネックとなり、商品の価格を通常他国に対して売っている価格から、20～30%値上げしなくてはならない状況になってしまっています。これは、日本では他の外資系アパレル企業にも言えることです。GAPやZARAも同じことで苦しんでおり、これは日本に出店する外資系企業に共通する障害です。
失敗として挙げられる例は、アメリカでの出店です。H&Mは、ヨーロッパでは絶大な支持を得ています。しかし、H&Mはアメリカ進出に失敗しました。成功したかどうかを見極める指標の一つといえるものに、一店舗当たりの売り上げがあります。このアメリカの一店舗あたりの売り上げは、H&Mが進出を果たしている26カ国中25位なのです。世界第一位の経済大国アメリカの売り上げが、26カ国中下から数えて二番目という低迷ぶりです。H&Mの商品がアメリカで売れない理由は、アメリカの国民の間で他のアパレルメーカーのGAPが完全に定着していることが挙げられます。H&Mは、GAPから顧客を取ることができなかったのです。要するに、H&MはGAPと、自社のH&Mを差別化することに失敗したのです。日本においても同じことが言えそうです。日本では、H&Mと同じく外資系アパレルメーカーのGAPやZARAや、国内アパレルメーカーのユニクロやしまむらがかなり浸透しています。H&Mは、これらのブランドと自社を差別化できない限り、日本で生き残っていくことは難しいといえます。

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