H&M工場従業員の賃金
商品の製造コストをなるべく抑え、なるべく多くの利益を得ようとするということは、民間の会社なら、普通に考えていることです。たくさんの先進国のメーカーは、土地代や人件費が安く抑えられる発展途上国に、商品の製造拠点を置いています。そうすることで、商品製造の際にかかるコストが、自国で生産する際に比べて、節約できます。
今や世界中に店舗を持つH&Mでも同じように、バングラデシュなどの発展途上国に商品製造の拠点を置いています。そのため、工場従業員の賃金は低いです。
しかし、商品を製造する工場を所有したり、運営しているのは、H&Mではありません。H&Mでは、自社の工場を所持していないのです。そのためH&Mは、自社の全ての商品を、ヨーロッパやアジアの国々のサプライヤーから仕入れています。
ですので、工場従業員の賃金を決め、支払いを行っているのはH&Mではありません。また、H&Mのみの1社だけが、そのようなサプライヤーの顧客となっている場合は稀です。工場従業員たちは同じ月の内に、他の多くの買い手たちのために商品を製造している場合があります。同じ工場で働く従業員たち全員が同じ金額の所得を得るべきであるとH&Mは考えています。それはもちろん、従業員がどの買い手の商品を作っているかに関わらずです。ただしH&Mは、時間外に労働した場合に支払われるべき時間外手当と、法的に受け取る権利がある賃金が、労働者全員に支払われるようにサプライヤーに求めています。また、ただ求めるだけではなく、しっかりと確認も行っています。唯一この方法が、実際的であり、かつ、最も競争中立的であると、H&Mは考えています。
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